1950年創業の老舗着物専門店おやかわ呉服店【沖縄市コザ】

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沖縄市のコザには1950年に創業し、親子3世代に渡り営業する呉服店があります。

それが、沖縄市一番街商店街に店舗をかまえる、おやかわ呉服店。

この記事では、そんなおやかわ呉服店についてご紹介します。

目次

沖縄市コザおやかわ呉服店へ

ということで向かったのがコチラ。沖縄市コザ一番街商店街に店をかまえる「おやかわ呉服店」です。

店内はこんな感じ。

おやかわ呉服店は1950年に創業した老舗店舗。

着物の買い物はもちろん、草履なども揃えているので、おやかわ呉服店に来れば着物に関するセットが一式手に入るというThe専門店です。

成人式前年の春休み頃になると近隣にお住いの方が、成人式のため振袖のレンタルで賑わうなど地域に根差しているところも、おやかわ呉服店の特徴。

でも、最近は着物を買う・レンタルだけではなく、色々な楽しみ方が出来る店舗になっているんです。

浴衣のレンタルや着物のお直し・お手入れといった、着物の販売だけに留まらず、着物がある生活のコーディーネートを行っているんですよね。

浴衣のレンタルで言えば、浴衣に必要な一式が揃い、かつ着付けも込みなのに1泊2日で2,750円(税込み)というリーズナブルな価格が人気で、シーズンになると借りに来る方が後を絶たないんだとか。

また、着物を買う・レンタルだけでなく、沖縄県内でも珍しい着物のお直しも好評なんです。

県内では着物のお直しをやっている店舗があまりないらしく、サイズの調整や、染み抜きなど、色々な相談がやってくるんだそう。

そういった相談に対し、自社で抱えている縫子さんや30年以上の付き合いがある京都の着物加工専門店の協力も得ながら、お直しの対応に努めています。

そんな、おやかわ呉服店ですが、店舗は1階だけじゃなく、2階にもあるんです。

2階に上がると、高そうな布がある空間が広がります。

ここでは、オーダーメイド用の着物を作る際の布を選べるとのこと。

トータル的に着物の生活をサポートし、老舗としての伝統を重んじつつ、お客様に喜ばれるサービスを生み出している、素敵な店舗です。

おやかわ呉服店が長く続いている理由

さらに詳しいお話を聞くべく、おやかわ呉服店専務の親川剛さんと、3代目の親川雅矢さんにお話を聞いてみました。

(左)3代目:親川雅矢さん  (右)専務:親川剛さん

編集部:親川さん、雅矢さんどうぞよろしくお願いします。

親川さん・雅矢さん:よろしくお願いします。

編集部:やっぱり一番に聞きたいのが、おやかわ呉服店は創業して半世紀以上営業されているわけじゃないですか。ズバリその理由をお聞きしたいです。

親川さん:理由か~。誠心誠意、お客さんが納得いくような商売、無理なおしつけとか、無理なことは全然やらないということが評価されてるのかな。

そもそも地元に根差している店だから。

編集部:結局、口コミとかで、良いのも、悪いのも広がっちゃうからっていうことでしょうか。

親川さん:そうそう。無理な商売は絶対やらない。お客様が納得いく提案とか、納得いく商品提供とかしかしないから。

あとは着物のお直しとかお手入れとか。着物を買ってもらうだけでじゃなくって、お客様と繋がれるよう色々模索しております。

編集部:着物のお直し?

お直しっているのはどんなものなんですか?シミとか、汚れを取ったりっていったものですか?

編集部:そういったのもあるし、お洗濯もあるでしょ?あと、着物の寸法を変えたり。

編集部:着物の寸法?

親川さん:着物にもサイズがあるじゃないですか。

例えば、最初のサイズはAさんに合わせて着物を作るんだけど、年月が経ってAさんの娘さんのBさんが着るってなったとき、お母さんと体形も違うもんだから、これに合わせてお直しする必要があるんですよ。

大きくしたり、小さくしたり。

編集部:へぇ~。でも、勝手なイメージですが着物屋さんなら、お直しもやっているという印象があるんですけど他にやっているところってないんですか?

親川さん:あまり聞かないね。というのも、手間がかかるから敬遠されがちなんだよね(笑)

それよりは、売りっぱなしの方が効率はいいんです。

編集部:めんどくさいってのは技術がいるからってことですか?

親川さん:技術もいるし、作業も多いし、難儀なわりに儲けがない…

編集部:それは誰もやりたがらないですね…

でも、じゃあ逆にそういう相談をしに来るお客さんは多いんじゃないでしょうか。

親川さん:結構多いね。

僕たちは着物を販売しているけど、ただの販売店とは思ってなくて、お客さんの着物を通した生活のコーディネートをせてもらっていると考えているんです。

なので、着物のお直しも喜んでさせてもらっています。

老舗のおやかわ呉服店だからこそ

編集部:いままで着物の販売とか、振袖のレンタルとかが主だったと思うんですけど、浴衣のレンタルだったり、お直しって形で色々サービスを広げてきていると。

親川さん:そうそう。ただ着物を買ってもらうだけじゃなくて、着物に関するいろんな周辺のサービスを色々提供していこうということで。

特に着物のお直しに関しては、とりあえずなんでも聞いてもらえれば、自前でも縫い子さんいるのと、京都の懇意にしている加工屋さんもいるので、幅広いサービスが提供出来るのもおやかわ呉服店の特徴と言えるかもしれません。

編集部:京都の加工屋さん?

親川さん:着物の加工専門店を加工屋さんって言って、もう30年ぐらいのお付き合いになるかなぁ。

編集部:そのお付き合いがあるから、おやかわ呉服店って言う名前があるからやってくれるって感じですか?

親川さん:そうそう、直接行ったらやらないはずだから。間に僕らの店が入ってるから向こうも。僕らの注文ということで受けてくれる。

新たなサービスが生まれるおやかわ呉服店

編集部:着物の販売だけでなく、色々なサービスを展開している中で、特におやかわ呉服店では「浴衣レンタル」のサービスが人気と伺ったのですが。

雅矢さん:そうだね。お客さんもすごい喜んでくれている。

編集部:着物の販売をやっていたおやかわ呉服店が、なんで浴衣のレンタルをはじめたんですか?

雅矢さん:自分が入社しときに、振袖のレンタルはやってたけど、浴衣のレンタルはやってなかったんですよね。

2015年9月に入社したんだけど、確かその月が全島エイサーまつりが開催されるときだったのと、前々からお客さんから要望があったようで、すぐに浴衣レンタルを始めたんです。

編集部:入社してすぐに始められたんですね。

雅矢さん:今でこそ、お客さんが好きな柄を選べるぐらいの浴衣を用意出来るようにはなったんだけど、当時はレンタルの浴衣が10枚あるか無いかぐらいだったな。

そのときは自分のFacebookとかで告知しただけだから自分の知り合いとか、兄弟の知り合いだけが来てって感じ。

編集部:雅矢さんからの提案ってことは、価格の設定とかも雅矢さんが?

雅矢さん:そうそう。確か、入社してすぐのときだから着物の単価とかも分からない中で決めちゃったはず。

いま浴衣レンタルを2,750円でやってるんだけど、「この金額だったら自分が借りる!!」と思った金額で設定したんだよね。

4,000円とか、5,000円だったら絶対借りんと思って(笑)

編集部:そういう意味では、入社したばかりの雅矢さんはお客さんの感覚に近かったんですね。

雅矢さん:そうそう。そのときに値段を設定したからこの金額。

編集部:ぶっちゃけた話、今になってみると、この金額間違えたな?とか思ってます?

素人の私から見ても、浴衣一式・着付けあり・1泊二日で2,750円は無茶苦茶安いと思うのですが…

雅矢さん:そんなことはないかな。確かに、儲かるってものでもないけど、やっぱりお客さんが喜んでくれているし、この浴衣サービスをキッカケにおやかわ呉服店を知ってくれる方もいるので。

販売店の枠を超えるおやかわ呉服店

雅矢さん:そうやって、徐々にお客さんが増えていったんだけど、課題もあって。

やっぱり全島エイサーや、祭りがあるときにしか浴衣を借りる人いなかったんだよね。

そんなとき、お客さんが借りたい浴衣を選びながらポロっと「全島のときはこれ着けたい」、「でも、これもいいな。これ着てどっか行きたい」って言ったのが印象に残ったんです。

編集部:そう言ってもらえるのは嬉しいですね。

雅矢さん:そうそう、けどねその行く場所が無いの。

だから、じゃあ、このどこかを作らないといけないなと。

編集部:誰かにやってほしいとかじゃなく、自分で作ろうと思った感じですか?

雅矢さん:そうそうそう(笑)

それで、商店街で浴衣コンテストを開催したり、浴衣を着て出かけられるイベントを作ったりと、祭りだけじゃない、浴衣を楽しめるイベントを作ったんです。

編集部:(すげー)

雅矢さん:もちろん一番は何でも無い日に着けてくれるのが一番なんだけど(笑)

着てもらって、回数を増やして、その着物に対するハードルが下がればいいなっていう。

普通の洋服とかもそうだと思うんだけど。自分の好みでつけない種類の洋服ってあるけど、着慣れたらやっぱ着出すと思うんですよ。

おやかわ呉服店をオープンしたキッカケ

編集部:お話を聞いていると、「お客さんを大切にしているな。そりゃあ、半世紀以上も営業出来るわけだよ」と感じたのですが、呉服店を創業したキッカケってなんだったんですか?

親川さん:ありがとうございます。でも、もともとは呉服店じゃなかったんですよ?

編集部:えっ?違うんですか?

親川さん:そうそう、うちのおやかわ呉服店の歴史としては、太平洋戦争の沖縄戦が1945年に終わって、その5年後、1950年ごろにカマハラ市場ってところに、うちの父親と母親が小さな商いから始めたのが、いまのおやかわ呉服店の前身。

編集部:カマハラ市場?嘉間良(カマラ)市場でしょうか?

親川さん:いまは嘉間良っていうけど、昔の人はあの辺をカマハラって言ってたのよ。そこにバラック小屋がたくさん建っていて、そのうちの1つで私の親が商売を始めたんです。

編集部:さっき、もともとは呉服屋さんじゃなかったって言ってたじゃないですか。何屋さんだったんですか?

親川さん:衣料品や生地、反物といったなんでも。物不足の時代だったから、手に入るものを入手して、売ってという形ではじめたみたい。

編集部:闇市みたいな感じですか?

親川さん:当時はそうだろうね。細かいことは分からないんだけどね。

おやかわ呉服店をコザにオープンした理由

編集部:でも、カマハラ市場で商売をされていたのに、なぜコザへ?

親川さん:1955年に軍用地だった胡屋のこの一帯が軍から解放されたんです。

それで、返還されたときに、うちの親父は一番最初の方にカマハラから胡屋に移ってきたの。

いま、おやかわ呉服店が店を構えてるまさにこの場所に。

編集部:ここに?それはすごいですね~。

親川さん:当時、移転した直後はうちの店も入れて商店は3つぐらいしか無かったって。

でも、その後にどんどん店が増えていったみたい。

編集部:へぇ~。そのときって道路も舗装されていない感じですか?

親川さん:そうそう。砂利道。

編集部:移転したときも、同じように、衣料品とかを扱っている感じですか?

親川さん:このときは衣料品。洋服全般って形だったみたい。あとは、生地とか色々なものやってたみたいね。あとはシャツも扱ってたのかな。

その取り扱っているものの中に、着物もあったわけ。

編集部:おっ!!それが今のおやかわ呉服店に繋がっている感じでしょうか。

親川さん:そうそう。いろいろ扱っていたんだけど、うちの母親が着物を好きなもんだから。だんだん着物に特化してメインに。

1972年に本土復帰して、1975年に商店街のアーケード作っているから。ちょうど、そのころぐらいかな?着物の専門店になったのは。

編集部:じゃあオープンしたキッカケも、「呉服店やりたい!!」とかじゃなくて、生活として商店をやっている中、親川さんのお母さんが着物好きだから呉服店になったと。

親川さん:そうそう、着物好きだから。

それから、今日まで営業出来ているわけだから、お客さんには本当感謝だね。

まとめ

ということで、この記事では沖縄市コザ一番街商店街に店をかまえるおやかわ呉服店についてご紹介しました。

着物についてはもちろん、浴衣のレンタルの際には、ぜひご利用してみてはいかがでしょうか。

おやかわ呉服店のお店情報

名 称おやかわ呉服店
エリア沖縄市一番街商店街
営業時間11:00~19:00
定休日なし
住 所沖縄県沖縄市中央1-4-17
マップおやかわ呉服店のGooglemapへリンクします
電 話098-937-3018
H  Pおやかわ呉服店ホームページへリンクします
Facebookおやかわ呉服店Facebookページへリンクします
Instagramおやかわ呉服店Instagramページへリンクします
駐車場一定金額の買い物をされた方は一番街パーキング・センター駐車場の1時間無料券を進呈

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